私だけの先生とフランス語漬けの1週間!2008
海と山のバスクを満喫するバイヨンヌ研修日記
1)いざ、バイヨンヌへ!~本当のフランスを求めて!フランスと言えば絶対にパリ!なんて、思っていませんか?実は私も少し前まで完全にパリ派でした。
しかし、少しずつパリ以外のフランスの町を訪れるにつれて、「本当のフランスは地方にあり!」と言われる所以を実感。そこで、ボネキープ様からのおすすめもあり、フランス南西部の大西洋側、スペイン国境に近いフランス・バスクの中心都市バイヨンヌへ初めて研修に出かけることを決めました。今回は、これまた初めて、先生のお宅でステイ&個人レッスンという特別プログラム。さあ、どうなることやら?!皆様もどうぞご一緒に、私とバイヨンヌへの旅に出かけましょう!
2)バイヨンヌってどこ?~アクセス方法聖マリア大聖堂はバイヨンヌのシンボル。どこからでも見えます!行くと決めたのはよいのですが、場所がわからない?!バスク地方、とは聞いたことはありましたが、日本ではあまり知られていません。でも、ご心配なく!方向音痴の私でも行けました!まず、鉄道好きの方はTGVで。パリのモンパルナス駅からバイヨンヌ駅まで約5時間です。日本からパリに着いて、翌朝のTGVで出発ということになるでしょうか。そして、今回私が選んだ飛行機の場合は、ビアリッツ空港がバイヨンヌへの玄関口となります。Biarritz-Anglet-Bayonne空港というのが正式な名前。パリからは、シャルル・ド・ゴール空港(CDG)からビアリッツ行きのエールフランス便がなくなってしまいましたが、オルリー (ouest)空港からは1日に7往復ほどのエールフランス便があります(フライト時間は約1時間15分)。CDGからオルリーに乗り継ぐには、エールフランスバス(30分おき。片道18ユーロ)がとっても便利です。日本からパリに着いて、直接バイヨンヌへ行かれる方は、少し早めにパリに着く便が良いでしょう。CDGからオルリーまで1時間弱で着くのですが、CDGで荷物を一旦受け取って、オルリーでまたチェックイン&荷物預け、ということを考えれば、すごく慣れている方を除いて、乗り継ぎには4時間程度あった方が安心だからです。関西からお出かけの方は、名古屋発着のフライトだと、早く着いて、帰国便も夕方発なので乗り継ぎがゆっくりできますよ。もしくは、せっかくだからパリで1、2泊して楽しんでから、というのも良いですね。今回の私は、名古屋からのフライトでパリに着き、1泊してパリを楽しみ、翌朝オルリーからビアリッツ空港へというスケジュール。目的地のビアリッツ空港はこじんまりした小さな空港で、飛行機から降りて荷物受け取りの所に行こうとエスカレーターを降りたら、もうそこにはミリアム先生が手をふって出迎えてくださっていました!先生の車に乗り約10 分でお宅に到着、いよいよ待ちに待ったバイヨンヌでの1週間のスタートです!
3)すてきなミリアム先生とかわいいお家での生活
レッスン中のミリアム先生です!今回私がお世話になったのは、ミリアム・ロランド先生。ロランドという姓はイタリア系で、ミリアムは「マリア」という意味だということ。日本でフランス語を教えていらっしゃったこともあり、とても日本通。お子様は3人、お孫さんも3人!(3人のお子様を持つ娘さんが、一番下の赤ちゃんを連れて遊びに来られます!知的で、かつ明るくお茶目な一面もお持ちのすてきなフランス女性です。先生のお宅はかわいらしい平屋建ての一軒家。バイヨンヌの小高い丘の上にある閑静な住宅地にあり、信じられないほど静かです。空港から近いので飛行機の音は時々しますが、それもまた良い感じ。近くのバス停(L’Union)までは徒歩約10分。バスはビアリッツ行きとバイヨンヌ行き、いずれも10~15分おきに走っていて(1ユーロ20。乗るときに運転手さんからチケットを買い、日付刻印コンポスタージュの機械に通すのを忘れないで!)、どちらへも約10分で着く便利さです。お宅には、Azal醇Pesというコース名のとおり、春には日本のようなサツキの花が咲く広い庭(森みたい!)があり、庭の奥には日本のシソ!やトマトなどを植えた家庭菜園も。私が訪れたときには、紫陽花の花が見事に咲いていました。寝室も大きなベッドでゆったり。おまけにミリアム先生のお料理が最高においしい!朝食は、アプリコット、いちじく、オレンジと、先生自慢の手作りジャムをたっぷり味わい、夕食は、トマトのファルシやマグロのステーキ、チキンのグリル、ふっくらキッシュにアーティチョーク(食べ方がおもしろい!)と毎日がフェット!雨が降らなければ外のテラスでのんびりと。自然に囲まれておいしい食事をゆったりいただき、ストレスのないフランス式生活の楽しみ方を体感できました。先生のお友だちのお宅でのディナー・パーティーにご一緒させていただいたこともありました。バイヨンヌの夏の長い夜は楽しく過ぎ、終わりを知りません。先生のお宅に帰り着いたらもう真夜中をすっかり過ぎていて、眠い目をこすりながら急いで宿題を片付けてベッドへ。よく遊び、よく学ぶ、フランス生活です…!
4)私だけの先生、ミリアム先生の特別レッスン!~メールで事前に私だけのレッスンをオーダーメイド!~ミリアム先生のレッスンは、フランスに行く前からもうすでに始まっています!ミリアム先生のもとで学ぶと決めたら、出発の1ヶ月ほど前にミリアム先生から直接メールが届きます。そこからもうレッスンは始まっているのです。私は出発までに先生へ6通メールを送りました。最初は自己紹介から始めて、自分の学びたいこと、あとは先生とお友だちのようにメール交換を。そして、それを読んだ先生は、私のためだけに授業を準備してくださるだけでなく、私が送ったメールをレッスンの中で添削してくださったのです!フランス人の先生に文章を直接添削してもらえるなんてラッキーなので、怖がらずにフランス語でのメールにチャレンジしてみてくださいね!スケジュールでは、午前中の2時間はフランス語のレッスンで、午後は先生の車で近郊の町に出かけたり、自由時間だったり。レッスンを午後にしたり、時間を早めたり、自由時間を増やしたり、訪ねたい町をリクエストしたりと、変更や修正ももちろんOK。学校とは違い、すべてがこちらの好みに合わせられるオーダーメイドなのです!
今回のレッスンでは、Hachette社のALTER EGOというテキストを用いて、1週間で第1章と第3章を学びました。それとは別に、私が個人的にお願いしていた苦手なレジュメ書きと発音も併せてレッスンしていただきました。2時間じっくりと、先生と面と向き合ってのレッスン。あくびをする暇もなく、練習問題だって、ほかの誰かが答えている間に考えようなんてこともできず(笑)、とにかく真剣勝負!わからないこと、納得しないことがあったら、他人を気にすることなく、とことんわかるまで教えてもらえます。発音は、面と向かって先生の口を真似て、同じ音が出るまで何度も。聞き取りも、わからなかったら何度もわかるまで聞かせてくださり、注意深く発音し、聞く耳ができました。先生はイヤな顔ひとつせず、辛抱強く教えてくださいますので、恥ずかしがらずに、何でもどんどん先生に質問してください!1週間後には、聞き取りにくい空港のアナウンスなども、自然に理解できるようになりますよ!宿題は毎日出ます(笑)!1週間でできるだけたくさんのことを学ぶために、練習問題などは宿題として準備して時間短縮し、翌日答え合わせで確認。そして、レジュメの練習を書く宿題も。テキストの中の文章や、中学生の教科書を題材にレジュメを書いたり、自分の子どものころの思い出をPass醇P Simpleを使って書いたり、「書く」ことにも重点を置いてくださいました。また、シラノCyrano De Bergeracという戯曲の1場面がテキストに載っていたので、朝食のときに映画化されたDVDを見せてくださり、イントネーションやアーティキュレーション(演劇なのでとても大げさに発音されていて、私にはとても参考になりました)の大切さを教えてくださったこともありました。先生は私の弱点を即座に見抜き、それを補うのにぴったりの項目を選んでレッスンしてくださいます。テキストの中に出て来る文学の抜粋も、先生はわざわざ図書館からその本を借りて来て作品全体を見せてくださったり、苦手な文法を手書きでまとめたものを夕食後に渡してくださったり、時間を問わず常に私のために完璧に準備してくださることに感激!何百時間受けた日本の学校でのレッスンよりも、ミリアム先生との1週間がどれほど私にとって得ることが多かったことか!帰国してからも、身にしみて感じています。
5)ショコラとバスク菓子の町、バイヨンヌの魅力これがカズナーヴのスペシャリテ、 うわさのムース・ショコラ!
バスク織りの上には、バスクのストライプ 履くだけでウキウキしそうなエスバドリーユ!と十字架をモチーフにした食器
「あなたはバイヨンヌ派? ビアリッツ派?」というのが、こちらでよく話題になるそうです。どちらもフランス・バスクの魅力的な町なので、究極の選択という感じでしょうか(笑)。大西洋の強い潮の香りに満ちたサーフィンとリゾートの町ビアリッツも好きですが、私はバイヨンヌ派。バイヨンヌは、ニーヴ川とアドゥール川が合流する所にある、商業や水運で栄えた落ち着いた町です。カラフルな木組みの古い家が見事に保存されていて、歴史を感じさせる独特の町並みが美しいです。小さな町で、市役所と聖マリア大聖堂が目印となるので、道に迷うことはありません。モノプリやカジノ(スーパー)も町の中心にあり便利です。おもな見所は、聖マリア大聖堂(16世紀の典型的なゴシック様式)、バスク博物館など。先生が最初にあちこち連れて行ってくださるので、そのあと気に入った所や美術館など自分でゆっくり訪れてみてください。何と言っても特産は、ハムとショコラ!あちこちに天井から吊るされている大きなハムのかたまりは、虫除けのためバスク織りの布に包まれていることも。バスク織りは、バスクの旗、赤と緑を使ったストライプが特徴です。そして、絶対にはずせないのがショコラ!17世紀にスペインからフランスへ初めてショコラが伝えられたのが、なんとこのバスク地方なのです。ですから、とにかくショコラのお店が多い!そんな中でも先生おすすめの老舗がCazenaveカズナーヴ。1854年の創業で、カップの上にふんわり盛り上がったムースが特徴的なChocolat mousseuxムース・ショコラ(ショコラ・ショー=ホットココア)が最高!生クリームをスプーンですくって、ムースにからめて一緒にいただきます。とても優しい甘さで、バターたっぷりのトーストといっしょに食べるのもなかなかとか。それから、おしゃれ好きな方は、バスク伝統の靴エスパドリーユという麻の縄底のリゾート・サンダルも要チェック。とにかく、パリにはない、バスク限定の魅力がいっぱいです!
伝統的なスタイルと色使いの木組みの家ハムがたくさん吊り下げられています!
6)レッスンの後は、エクスカーションで活きたフランス語を!午前中のレッスンが終っても、ミリアム先生は私と一緒です。昼食後は、先生が車を運転して、ピクニックに行ったり、近郊の町や村、マルシェへおでかけです。電車やバスで行くのが難しいところでも、車だと簡単!美しい風景を見つけたら、ちょっと車をとめて写真撮影もOKですし、訪れた町の見どころや名所などについては先生がとてもくわしく説明してくださるので、ガイドブックも必要ありません!しかし、何と言っても、ずっと先生とおしゃべりしながら過ごすことができるのは最高のレッスン!!学校で外国人クラスメイトの不完全な発音を耳にして悪いくせがついてしまう、といったことはありません。常にミリアム先生が美しい発音で話しかけてくださり、テキスト学習を越えた「活きた」フランス語会話を、生活する中で自然に楽しむことができるのが、このプログラム最大のメリットなのです!今回私が出かけたのは、ビアリッツやバイヨンヌの中心街のほかに、まずルイ14世がマリー・テレーズと結婚式をあげた港町サン・ジャン・ドゥ・リュズ。太陽王の結婚のお祝いに献上されたAdamsのマカロンがいただけます。そして、トウガラシが名産のエスペレット村では、見るからに辛そうな赤い家が立ち並び、壁にはトウガラシがぶらさがっていて、トウガラシ入りのショコラまであります。それから、ピレネー沿いの山中にある中世の城塞サン・ジャン・ピエ・ドゥ・ポール。スペインまでは約10分で、サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路の宿場町として発展した町です。ホタテ貝の殻を付けているのが巡礼者の印で、巡礼者のための宿にもホタテ貝がついています。古い石畳と石造りの建物、1600年代に建てられた木造の家、城壁、ユネスコの世界遺産に登録されている石造りの門など、中世の薫りであふれています。 さらに、忘れられないのは研修最後の日。夕食後、先生が車でビアリッツの海岸まで日没を見に連れて行ってくださったのです。午後10時の日没に合わせてビアリッツの灯台の下に到着。2人で海の近くの岩場まで降りて行き、まるで絵画のように壮大でドラマティックな大西洋の日没の風景を堪能することができました。バスクの海と山を、思い切り満喫した1週間でした!
ルイ14 世ゆかりのマカロンは、素朴で サン・ジャン・ドゥ・リュズから橋を渡ったまわりサクッと、中はモッチリの食感 シブールには、作曲家ラヴェルの生家が。
辛そうなエスペレットのトウガラシ! 郵便局にも、やはりトウガラシ!
サン・ジャン・ピエ・ドゥ・ポールの巡礼者。 建物の入り口にあるホタテ貝は、巡礼者自転車の後部にホタテ貝が。 のための宿である印。
ビアリッツの日没。大西洋に沈む壮大な夕陽は感動的!
7)自然に身につくミリアム先生の魔法のレッスン!たった1週間の滞在でしたが、ミリアム先生の献身的なレッスンと心のこもった温かいもてなしで、最高のバイヨンヌ滞在を経験することができました。日本に帰ってからも、ミリアム先生のレッスンを忘れるどころか、先生に注意していただいた発音や、書くときの注意など、ちょっとしたことに自然に気をつけられるようになり、まるで先生の魔法にかかったかのよう。「ミリアム先生効果!」が時間とともに増して来るのがわかり、驚きです!数多くレッスンを受ければうまくなると思っていた日本での勉強法を、あらためて見直しはじめました。本当に自分にとって大切なことは何か。自分に欠けている点はどうすれば習得できるのか…。ステップ・アップできるヒントを、ミリアム先生は私に教えてくださったように思います。その上、帰国してからもメールのやりとりは続きます。先生は、いつでも何でも質問してきて!とおっしゃっていますし、私が書いたメールに間違いがあれば、赤で添削して返信してくださいます。まさに、「生涯の師」と出会えたと言ってもよいでしょう。私のように長く勉強していて伸び悩んでいる方にはマンネリを突き破るための、初心者の方にはしっかりとした基礎と中級に進むための、それぞれの近道へとミリアム先生は確実に導いてくださるのです。ミリアム先生の魔法のレッスンを体験したいなら、迷うことはありません。今すぐバイヨンヌへ!先生は、いつでもあなたを笑顔で迎えてくださいます。さあ、次はあなたの番です!!A TRES BIENTOT A BAYONNE !!
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